球技は速筋の勝負

あらゆる運動は、筋肉が縮むことで行われています。球技に求められている必要な走りというのは、短い距離をいかに素早く走るかであり、そこには急加速や減速、方向転換も必要になってきます。

 

つまり、球技はスピードコントロールが求められているということになり、これを筋肉から考えるとボールを使う球技では、速筋の勝負と言えます。

 

そもそも筋肉は、いくつもの細い筋繊維が束になって出来ていますが、どれも同じ速さで縮むわけではなく、大きく2種類に分けられます。

 

一つは早く縮む速筋と、もう一つがゆっくり縮む遅筋です。これらはそれぞれの筋肉の動きや特徴からそのように呼ばれています。

 

球技では基本的に早い動きが必要であるため、筋肉が早く収縮する速筋が働くという事になります。

 

この速筋の特徴としては、筋肉が早く縮むので瞬発力は出ますが、筋肉内にある強い力を一気に使うので、すぐにエネルギーが切れてしまうという特徴があります。

 

最も大きな力を発揮したとして、およそ7〜8秒くらいで、筋肉内にあるエネルギーを消費してしまうと言われています。これはどんな優れた一流のアスリートでも同じで変わりません。

 

トレーニングで速筋を鍛えると、筋肉も大きく太くなり、それに伴って筋肉内に蓄えられるエネルギー量も増えてくることで、瞬発力など瞬間に出せるスピードやパワーも上がりますが、動ける時間も延びるというわけではありません。

 

かたや歩くなどの長時間の運動を支えているのが遅筋です。これは体内に蓄えられたエネルギーが限られている速筋と比較して、酸素で糖質や脂肪を燃焼させてエネルギーを作り出しているので、持続的に収縮させることが出来るんですね。

 

球やサッカー、バスケットボールなどの球技を行う選手は、一般の人に比べて持久力はありますが、長距離ランナーのような能力は必要ありません。

 

サッカーやバスケットボール、ハンドボールにしろ、勝ち負けは試合時間にどれだけ走り回ったかで決まると言うものではなく、瞬間での勝負になるからです。

 

つまり、一つ一つの瞬間でプレーが大切になり、言い換えればそれは速筋の勝負であるということです。

 

ですが、サッカーなら、前半後半での45分、バスケなら10分4ピりオドの間ピッチ上を動き回らないといけません。しかし、速筋が最大限に力を発揮できるのは10秒あるかないかなので、球技では素早い速筋の回復がキーポイントになります。

 

そこで、速筋を素早く回復させるには、一つのプレーはなるべく短い時間で、全力を使わずに90%以下の余力を持たせて行うことが大切です。

 

ただ、試合中にがむしやらに走っていても体力を消耗するだけで、いくら筋肉を鍛えても大事な場面で瞬間的スピードを出すことが出来なくなってしまいます。

 

その為、普段のレーニングからスピードコントロールを意識した体を作っておくことが、スピードを制することになり、ゲームを制することに繋がるでしょう。

 

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